Proof that I was here

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日々の所感を徒然と綴っていくブログ。

「アガルタの女」が下品だという話

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どうも。

今回のシナリオについては、個人的には、

「まあこんなもんでしょ」

レジスタンスのライダーは近年に珍しい分かりやすくてまともなキャラじゃない?」

と思いながらプレイしていたのですが、各所で悪い意味でシナリオが話題になっていたので、改めて筆を執りました。

一応ですがネタバレ注意としておきます。

 

 

シナリオが下品だという話。

舞台設定としては今まで以上に分かりやすく、一言で言うなら「男女の立場が逆転した世界」ということでしたね。

更に言うならホームズによる劇中劇なのでは?ですが。

強い立場にある女性が、男性を性的に貪り、簡単に命を奪ってしまう世界。

多少の差異はありますが、それぞれペンテシレイアのとこは古代、ダユーは中世、武則天のとこの都市は近代の男女格差が現れているようです。

下品だと言われているのは、大雑把に言えばこの性描写の部分だと思われます。

今までのシナリオにおいては多少グロはあっても、直球でエロを扱うことは無かったように思います。

一応ストアでレーティングされてますしね。

ですが、問題となっているのは厳密には性を扱うという部分では無かったというのが僕の考えです。

 

そもそもセックスや暴力を描くことは特別でも何でもなく、ずーっと物語の題材として扱われてきたポピュラー(と言っていいジャンルかは分かりませんが)なものです。

日本で有名な例を挙げれば村上龍の『限りなく透明に近いブルー』などがありますし、故 伊藤計劃氏の作品の中の笑い話には、エンタメとしてセックス、ドラッグ、バイオレンスを求めた人に聖書を差し出したなんてのもあります。

欲望というものは、ありのままの人間の有り様を描く上では非常にテーマにしやすいものであり、その延長線上にこのアガルタのシナリオもあるというわけですね。

ですが、もちろんそういうテーマ自体に嫌悪感を示す人もいますし、今回の批判にも一定数そういう感想は含まれていると思います。

そしてその一方で、批判者全員がそのような感想を持った人とは思えない。

セックスやバイオレンスが芸術の一つと理解している人は、特にサブカルに触れる人なら多いと思います。

では何故、その上でアガルタのシナリオが下品だと揶揄されるのか。

それは、シナリオ全体を通しての「緊張感の無さ」にある、と僕は考えます。

 

合間合間に挟まれる、時折スラングを交えた寒い(個人差ありますが)選択肢。

せっかくのフェルグスの見せ場なのに、それをいちいち中断して茶化すカルデアの面々。

フェルグスといい黒ひげといい、一度馬鹿にしても良いみたいな空気が共通認識として生まれると、歯止めが効かなくなるのがFGOの悪い所の一つです。

話が固くなり過ぎないようにしたいなら、せっかくアストルフォというコメディリリーフがいるんですし、彼に任せればいいものを、無闇矢鱈といろんなキャラをシリアスな場面でもお構いなしにギャグに突っ込んでいく。

これに関しては長らく言われてきた問題ですが、今回は「ジェンダー/セックス」という万人に当てはまる、分かりやすいテーマであり、プレイヤーとしてもこれまでに比べて咀嚼しやすいということもあったため、このような緊張感・シリアスとギャグのメリハリのなさが露骨にシナリオの不満点に繋がったのではないでしょうか。

また、下品とよく言われる場面においても、敵である女性兵士の言葉遣いが「生々しくない」んですよね。

下腹にキュンキュンくるだの、下手にネットスラングを取り入れているせいで、本来の物語と二次創作の境界が曖昧になるし、そこらに転がっている薄い本的な展開にしか見えない。

よく批判されているのを見るダユーの登場シーン(会話のみ)も、「性」を淡々と描いているのではなく、描写が露骨なせいで、シナリオの他の部分との差が際立ってしまう。

これを狙ったといえばそれまでですが、ならば全年齢向けでなくそれこそエロゲでやれという話です。

このように、書きたいことや描写や環境など、色々なものがズレていたことが問題だったんではないかと思います。

 

また、それ以外にもシナリオ各所で頭をかしげる部分は多かったですね。

主人公は新宿からまたもや何も学んでおらず無警戒に武則天に接触して飴をあげるし、マシュの方はまだマシですが、こっちはこっちで主人公の腰巾着と化しててストッパーの役割を果たせていません。

赤の他人が犠牲になるのを見過ごせないのも、良さというのも分かりますがそれで増援を呼ばれては意味をなさない。

何ともならなかったというのは結果論です。

あと、そもそも奴隷である男をめちゃくちゃ粗末に扱うのも分からない。

世界を基盤となったキャラの性格とかでなくメタ的な話として、現実では女は性奴隷・男は労働力という役割の奴隷ですが、アガルタ世界では男の奴隷がその両方の役割を担っている非常に重要なものであるはずなのに、ぽんぽん殺してしまって大丈夫なんでしょうかね?

降ってくる→それを確保するために他勢力と争うという性質上、大量に新しく仕入れるというのも難しいでしょうに。

もしや労働力すら完全に女性が担ってて男はただの愛玩具なのか……。

まあこのあたりはどうでもいいですが。

 

と、これらが今回のシナリオ批判についての個人的な考察になります。

受け入れる人も受け入れられない人もいる、というよりは単純にシナリオの出来が悪いんですよね。

この場合の出来の悪さというのはシナリオ全体のことでなく、要所要所に問題があるということです。

これをホームズによる劇中劇とするのは中々辛いものがあります。

 

まだ読み込みが浅いので加筆修正があるかもしれませんが、今回はここまでにしておきます。

ありがとうございました。